2012年5月14日月曜日

急性期脳卒中における口腔ケアは有効か?

脳卒中後には高い確立で肺炎を合併することは良く知られており、肺炎発症予防に有効であるとされている介入法や薬剤がこれまでに示されてきています。



1)口腔ケア
Yoshino A, Ebihara T, Ebihara S, Fuji H, Sasaki H. Daily Oral Care and Risk Factors for Pneumonia Among Elderly Nursing Home Patients. JAMA. 2001;286(18):2235-2236. 
Watando A, Ebihara S, Ebihara T, Okazaki T, Takahashi H, Asada M, Sasaki H. Daily Oral Care and Cough Reflex Sensitivity in Elderly Nursing Home Patients. Chest. 2004;126(4):1066-1070.  

2)抗生剤の予防的投与
van de Beek D et al, Preventive antibiotics for infections in acute stroke: a systematic review and meta-analysis. Arch Neurol. 2009 Sep;66(9):1076-81.

3)ACE阻害剤

4)塩酸アマンタジン(シンメトレル)

5)シロスタゾール(プレタール)

6)半夏厚朴湯

7)クエン酸モサプリド(ガスモチン)



ざっと取り上げてみても上記のとおり。


このほとんどが日本発であるところも興味深いところですが、では、急性期脳卒中に対する口腔ケアの有用性は?


過去の調査ではNursing home patients(慢性期患者)が対象となったものはありますが、急性期脳卒中患者を対象としたものはなく、現時点では「不明」です。


「エビデンスがないからやらない」ということではないのですが、、


現在、急性期脳卒中患者の肺炎(感染)予防に有効とされているのは抗生剤の予防的投与のみのようです。


次回のテーマは急性期脳卒中における抗生剤の予防的投与に関してです。

0 件のコメント:

コメントを投稿